脳筋の足跡 レックウザメガバトル 千葉大会 2日目(後半)
2015年5月14日 TCG全般実は、自分は2ndステージで勝ったことがありません。
ストレートに1stステージを抜けたことも、2回くらいしかありません。
XYリリース時のミステリーバトルと、直近の池袋のメガバトル。
どちらも2ndステージの初戦でほぼサポ事故。
勝負らしいことをした記憶はありません。
その舞台に、また足を踏み入れることを許された。
独特の張り詰めた空気。
皆の真剣な眼差し。
でも自分は、不思議と、とても穏やかな気持ちでした。
勝つぞ!って意気込むわけでもなく。
サポ事故したら…って、不安になるわけでもなく。
今から思い返してみれば、ですが。
あの時の自分は、純粋にポケモンカードを楽しめていたんだな、と思っています。
集大成ともいえるデッキを、ここにいる猛者に見てもらえる。
普段であれば、対戦する機会なんてないような方々ばかりのはず。
(南越谷であ行さんと対戦できたのも、本当に嬉しかったのです)
目標②「これぞ脳筋」という勝ち方をして、相手の記憶にカメケルを刻み付けること。
残る目標は、これ。
高い壁に、亀の足跡を刻みつけてやろう。
【レックウザメガバトル 2stステージ】
【使用デッキ:カメケルラボ(差し替え無し)】
対戦相手は、ノリが軽そうな、自分より少し若い男性。
「マッチアップが良くて勝ちあがれたんですよー」なんて聞きながら一緒にお手洗いへ。
今の環境だと会う人会う人、皆違うデッキを持っているので、
この人はどんな対戦をしてきたのかな、なんて考えていました。
ちなみに、席を立つ際はデッキをポケセンのショッパーに包むように指示されました。
不正防止なんでしょうね。いいことだ。
【1戦目:VSソーナンスグラードン&ドンファンレジロック】
後攻。レジロックとソーナンスが見えて、デッキの内容をおよそ察する。
ランドメイカー目的でレジロックが入っているのは初めてみた。
よほどスタジアムを過労死させるデッキと見える。
ソーナンスにカメックスの特性が止められてしまうが、サイレントラボがあれば大丈夫。
序盤にアオギリを決めれば、まず問題はないだろう。
手札:スーパーエネルギー回収x3 アララギ博士 カメックス 水エネルギー
フラダリの奥の手
フリーズ。
な、何この手札…
ゲンシグラードンを相手にする場合、カメケルの戦い方は1つです。
暴走ケルディオを立ててゲンシグラードンを一撃必殺すること。
長い時間をかけてグラードンを育てるデッキなわけですから、
そのコンセプトを破壊するケルディオの青天井火力は、面白いくらいに有効です。
そのためには、エネルギーが大量に必要。
序盤キュレムでちくちくして、返しで倒されて落としたエネルギー。
最後にゴッソリ回収して、一撃必殺。そう難しいことではありません。
そのためのスーエネ回収がいきなり3落ちです。酷すぎる。
それでも、手札を回さないとどうしようもないので捨てます。
泣く泣く捨てます。
まぁ、次でアオギリ成功すれば…
手札:バトルサーチャーx3 キュレム ジラーチ 水エネルギーx2
流石に頬が引きつります。
なにこれ…
スーエネ回収は、フラダリの奥の手で山札に戻さないと勝てない、と読みました。
しかし、フラダリの奥の手は初手でトラッシュへ。
つまり、サーチャーを1枚、必ずフラダリの奥の手として使わないといけません。
それが4枚中3枚、手札にきてしまったわけです。
トラッシュにはアララギとフラダリの奥の手のみ。
今奥の手を使うとカメックスが山札に戻ってしまう。
そんな事をすれば、そもそも最初のアオギリが決まらない可能性が増えてしまう。
もっと言うと、さっさと手札をリフレッシュしないとアオギリが成功しない。
相手のベンチではグラードンがすくすくと成長しつつある。
バトル場にはドヤ顔でソーナンスが。泣きたい。
苦渋の決断。ポケモンを展開しつつ、アララギでサーチャーを3枚捨てました。
勝ち筋は、恐ろしく細い。
というのも、
アオギリの切り札を使う際、手札にバトルサーチャーがあってはいけないから。
アオギリの切り札は、手札にきたカードを全て捨てることで発動するカード。
メンテナンスなんて刺してないので、アオギリ前にサーチャーが手札に来てしまったら
そこでジ・エンドです。
奥の手を撃てなくなります。
しかし、さらに引いたハンドでもアオギリは絶望的。
そしてついに、グラードンの猛攻が始まってしまう。
200超のダメージを受けてキュレムが吹き飛ぶ。
こちらに攻撃できるポケモンは育っていない。
もはやこれまで…
あ、そういえば。
ジラーチ、入れてたんだった。
厳しいスケジュールの中、友人が調達してくれた、プロモのジラーチ。
びっくりするようなお値段がついてましたが。
無色1エネで相手の特殊エネルギーを破壊し、ダメージ&効果を無効化できる。
幸い、相手のゲンシグラードンにはストロングエネルギーがしこたまついている。
やるしかあるまい!
怒涛のスターダストラッシュ。
何事かと思うくらい特殊エネを破壊し尽しました。
ストロングエネも全て消し飛ばし、何故か貼られたニコタマまで割ってしまう始末。
たぶん、本来はドンファン用なんでしょう。
血も涙もあったもんじゃねぇ。
このあたりで段々と冷静な思考が戻ってきます。
普通に考えれば、グラードンを後ろに下げれば良いだけのこと。
しかし相手デッキは、準備が完了するまではグラードンを後ろにずーっと控えさせておいて、
最後にどーん!して勝つタイプのデッキ。
1度前に出したグラードンを後ろに下げるというのは、そもそも想定されていないのでしょう。
結果、「ポケモン入れ替え」が少なく、バトル場で立ち往生し、特殊エネを割られ放題に。
逃げエネも重たいため、迂闊に下げられない。
なんだ、落ち着いて考えれば、まだまだ時間はあるじゃないか。
簡単な思考なのに、ハンドの酷さで曇ってしまい、気付けていなかっただけ。
ニューフェイスのおかげで稼げた、貴重な時間。
ドロー枚数を微妙に少なくしたりして、何とか無事にアオギリ成功。
さらにそこから奥の手にも成功。
サイド枚数残り6-3と大きく離されてしまうも、希望の光がしっかりと見えるまでに前進。
が、ここで相手が「ポケモン入れ替え」に到達します。
バトル場には代わってソーナンスが。こちらの爆流が、再度封じられます。
ジラーチを倒されては困るので、こちらはエネ無しキュレムに交代。
これは困った。相手にフラダリを引かれたら、いつでも攻撃できるように…
できるように…
ならない。
どうやら、相手の軽石が尽きた様子。
ソーナンスを逃がせないらしい。
既に、ソーナンスが倒れるまでにフラダリ握るか、みたいな動きになっている。
ほう、そうかそうか。
キュレムというのは素晴らしいアタッカーでして。
3エネ120点という右ストレートの他に、
フロストスピアという、トリックパンチもあってですね。
実にこう、痒い所に手が届くんですね。
相手が動けないのをいいことに、フロストスピアの連打連打連打。
ゲンシグラードンをブスリ♂すること3回。
硬い♂お守りが付いていたので、ダメカンを3個乗せることに成功。
残りHPは210。
その間に、相手はダイゴを使ってフラダリを持ってくる。
が、それは許さない。
サーチャーからNで再びハンドをリフレッシュ。
またもやダイゴ。ダメ。もう一度N。
そんな事をしている内に、フロストスピアでソーナンスがダウン。
残りサイドを5-3とし、相手がグラードンを前に出します。
その間に、ベンチのケルディオに溜めたエネが4枚。
グラードンを一撃で倒すのに、あと5枚。
でも大丈夫。手札にはスーエネ回収がある。
さぁ、キュレムを倒せ。
落ちたエネルギーを回収して焼け野原にしてくれる。
次の瞬間、相手が大きくガッツポーズをしました。
トップドローしたカードをそのまま場に。
「フラダリ」
4エネをつけたケルディオが場に引きずり出されます。
さらに、手札からファイティングスタジアムが。
ガイアボルケーノでケルディオが倒されます。
残りサイドは5-1。
場に残ったアタッカーは、2エネが残ったキュレム。
あとは、軽石が付いただけのケルディオExのみ。
既に基本エネルギーが4枚付いているため、ジラーチも意味がない。
明らかに興奮した様子でターンエンドを宣言する相手。
もはや、勝利を確信しているのでしょう。
今更騒いだ所で何も変わりません。
相手のトップドローが強かった。それだけのこと。
こちらもデッキを1枚ドロー。
引いたカードは…
「…まだ、勝負は終わっていませんよ」
えっ、という感じでこちらを見る相手の方。
手にしたカードを、そのまま場へ。
引いたカードは2枚目のスーパーエネルギー回収。
手札は7枚。いける。
1枚目のスーパーエネルギー回収。エネルギーは全てケルディオに。1、2、3、4。
2枚目のスーパーエネルギー回収。これもケルディオに。5、6、7、8。
トラッシュのエネは覚えている。これで全部キッチリ回収。
ここで初めて、相手が状況を理解したようでした。
慌てて指を折り、計算を始め、しかし、まだ1枚足りない事に気付く。
8枚では、210点。しかし、硬いお守りがあるから、もう1枚足りない。
デッキの水エネルギーは、全部で12枚。
内、8枚がケルディオに。2枚がキュレムに。残りは2枚。
しかし、1枚はサイドに落ちていました。
デッキの残り枚数は、途中で奥の手を使ったこともあり、およそ20枚程。
欲しいカードはたった1枚。
最後の手札はバトルサーチャー。
普通であれば、アララギ博士を選ぶべきだったでしょう。
しかし、ノータイムでNを選びました。
強運でありたいと思うのであれば。
己が強運を疑うな。
たかが1枚、引けばいいだけのこと。
もっと欲張れ。ついでに相手の手札も縛ってやれ。
リフレッシュして、5枚のハンド。
めくった瞬間にきらりと光を反射したのが見える。
水エネルギー。
9エネ230点の神秘の剣でゲンシグラードンを落とす。
焼け野原を前に、呆然とする相手がぽつり。
「何これ…」
ぐっと拳に力を込める。
脳筋の勝負、決着。
【カメケルラボ ○ 4-5 ×(投了) ソーナンスグラードン&ドンファンレジロック】
首に1勝札を下げて、意気揚々と待機列へ足を運ぶ。
嬉しくないわけがない。こんな勝ち方。逆転劇。
ふわふわしてたら、間違えて0勝列に並んでました。
あれ、ここじゃない?サーセン。
次の相手は、てぃあさんという方でした。
自分もお気に入りで以前に使っていた、東北スリーブをさくさくとシャッフルしていく。
聞けば、東北からの遠征だとのこと。
すごく丁寧な印象の方。楽しめそう。
えーと、先に謝っておきます。
有名な方だって、全く存じ上げていませんでした。
ゴメンナサイ。
【2戦目:VSアギロットシェイミ】
マリガン。水エネルギーが見えた。
マリガン。アオギリが見えた。
マリガン。改造ハンマーも見えた。
マリガン。見られてないカードあったっけ。
後攻。相手の場にボクレー。
ふぅ、と息を吐いて手札をテーブルに置きました。
悔しさはありませんでした。ここまで来れただけでも出来すぎなくらい。
デッキは十分がんばってくれた。
「もう疲れたよ」って事でしょ。
それくらい分かるよ。お疲れ様。
それでも、敬意をもって相手に当たりたかったので。
終始、笑顔を意識しました。
今思っても不思議なのですが。
あんなに蛙とかゴチルゼルとかのロックが嫌いだった自分が。
心の底から、自然な笑顔でプレイできていたように思います。
本当に、後悔なんてなかった。
相手は当然のように回ってミツル使用。オーロットでグッズロック。
ターンを渡される。サポは無い。エネを張ってエンド。
次の相手のターン、Nを使われる。
ポケモン引けるかな。
せめて、1秒でも長くこの雰囲気を楽しみたいから。
ケルディオに手張りしたら、何かの拍子にロックが外れないかな。
あの時の手札は、今でも鮮明に覚えています。
フラダリの奥の手
博士の手紙
ハイパーボール
スーパーエネルギー回収
サイレントラボ
ジラーチEx
いつもの手札。
博士の手紙で水エネを持ってきて、ハイパーボールでトラッシュ。
カメックスを持ってきて、それをスーパーエネルギー回収でトラッシュ。
ジラーチで、アオギリの切り札。カメックスが立つ。
何十回と、練習した手札。
でも、今はグッズを使えない。
不思議な感覚。
何だろう、「違うよ」って言われてるような。
ターンを渡される。
引いたカードは「アオギリの切り札」。
サポートが1枚多くなった。
たくさんあっても仕方がないから、捨てちゃおうか。
違う、そうじゃない。
このデッキには、1つだけ、先1オーロットを掻い潜る方法がある。
そんなの考えたこともなかった。
でも、デッキが勝手に答えを持ってきた。
これを使え、と。
ジラーチで「フラダリ」を持ってくる。
フラダリで相手のシェイミを前に。
グッズロックが解除された。
手紙を使って、ハイパーボールを使って、スーパーエネルギー回収。
手札は1枚。アオギリの切り札のみ。
自分が緊張しているのが分かる。
本当に、出来てしまうのだろうか。
相手が、まさか っていう顔でこっちを見てる。
自分も、同じ。
いや、でも、相手にNを使われたらどうしようもない。
と思っていたら、アクロマを使われた。
トラッシュにはNがあったから、サーチャーが無かったらしい。
再び、ターンを渡される。
引いたカードは… 水エネルギー。
相手が「ええっ!?」と驚く。
自分も驚く。
正直、どうしていいか分からなかった。
あぁ、違うってそういうことか。
「お疲れ様」じゃなくて。
「まだまだ戦りたい」って。
仰せとあらば。
もう一度背筋を伸ばして、相手に向き直って。
「改めて、よろしくお願いします」
ちょっと鼻声になってたけど。
勝負は、どちらに転ぶか分からない接線。
でも、完敗でした。詰められ方が半端なかった。
強かった。
ドロンでケルディオが2回倒されて。
でも、最後まで全力で食らい付いてやりました。
「理想の展開をしたたのに、負けが頭をよぎった」って言ってくれて。
今思い出しても、最高の勝負でした。
【カメケルラボ × 5-6 ○ アギロットシェイミ】
今までは雲の上だった、クライマックスステージ。
そこにもう少しで手が届くかな、なんて所まで到達して。
あぁ、なんだ。なんていうか、みんな人間なんだな、なんて。
そんな謙遜することもなかったんだな、なんて、思ったりしました。
そういえば。
最後に対戦した方、千葉2日目3位の方でした。
そんな方と対戦できたとは。いやはや。
ストレートに1stステージを抜けたことも、2回くらいしかありません。
XYリリース時のミステリーバトルと、直近の池袋のメガバトル。
どちらも2ndステージの初戦でほぼサポ事故。
勝負らしいことをした記憶はありません。
その舞台に、また足を踏み入れることを許された。
独特の張り詰めた空気。
皆の真剣な眼差し。
でも自分は、不思議と、とても穏やかな気持ちでした。
勝つぞ!って意気込むわけでもなく。
サポ事故したら…って、不安になるわけでもなく。
今から思い返してみれば、ですが。
あの時の自分は、純粋にポケモンカードを楽しめていたんだな、と思っています。
集大成ともいえるデッキを、ここにいる猛者に見てもらえる。
普段であれば、対戦する機会なんてないような方々ばかりのはず。
(南越谷であ行さんと対戦できたのも、本当に嬉しかったのです)
目標②「これぞ脳筋」という勝ち方をして、相手の記憶にカメケルを刻み付けること。
残る目標は、これ。
高い壁に、亀の足跡を刻みつけてやろう。
【レックウザメガバトル 2stステージ】
【使用デッキ:カメケルラボ(差し替え無し)】
対戦相手は、ノリが軽そうな、自分より少し若い男性。
「マッチアップが良くて勝ちあがれたんですよー」なんて聞きながら一緒にお手洗いへ。
今の環境だと会う人会う人、皆違うデッキを持っているので、
この人はどんな対戦をしてきたのかな、なんて考えていました。
ちなみに、席を立つ際はデッキをポケセンのショッパーに包むように指示されました。
不正防止なんでしょうね。いいことだ。
【1戦目:VSソーナンスグラードン&ドンファンレジロック】
後攻。レジロックとソーナンスが見えて、デッキの内容をおよそ察する。
ランドメイカー目的でレジロックが入っているのは初めてみた。
よほどスタジアムを過労死させるデッキと見える。
ソーナンスにカメックスの特性が止められてしまうが、サイレントラボがあれば大丈夫。
序盤にアオギリを決めれば、まず問題はないだろう。
手札:スーパーエネルギー回収x3 アララギ博士 カメックス 水エネルギー
フラダリの奥の手
フリーズ。
な、何この手札…
ゲンシグラードンを相手にする場合、カメケルの戦い方は1つです。
暴走ケルディオを立ててゲンシグラードンを一撃必殺すること。
長い時間をかけてグラードンを育てるデッキなわけですから、
そのコンセプトを破壊するケルディオの青天井火力は、面白いくらいに有効です。
そのためには、エネルギーが大量に必要。
序盤キュレムでちくちくして、返しで倒されて落としたエネルギー。
最後にゴッソリ回収して、一撃必殺。そう難しいことではありません。
そのためのスーエネ回収がいきなり3落ちです。酷すぎる。
それでも、手札を回さないとどうしようもないので捨てます。
泣く泣く捨てます。
まぁ、次でアオギリ成功すれば…
手札:バトルサーチャーx3 キュレム ジラーチ 水エネルギーx2
流石に頬が引きつります。
なにこれ…
スーエネ回収は、フラダリの奥の手で山札に戻さないと勝てない、と読みました。
しかし、フラダリの奥の手は初手でトラッシュへ。
つまり、サーチャーを1枚、必ずフラダリの奥の手として使わないといけません。
それが4枚中3枚、手札にきてしまったわけです。
トラッシュにはアララギとフラダリの奥の手のみ。
今奥の手を使うとカメックスが山札に戻ってしまう。
そんな事をすれば、そもそも最初のアオギリが決まらない可能性が増えてしまう。
もっと言うと、さっさと手札をリフレッシュしないとアオギリが成功しない。
相手のベンチではグラードンがすくすくと成長しつつある。
バトル場にはドヤ顔でソーナンスが。泣きたい。
苦渋の決断。ポケモンを展開しつつ、アララギでサーチャーを3枚捨てました。
勝ち筋は、恐ろしく細い。
というのも、
アオギリの切り札を使う際、手札にバトルサーチャーがあってはいけないから。
アオギリの切り札は、手札にきたカードを全て捨てることで発動するカード。
メンテナンスなんて刺してないので、アオギリ前にサーチャーが手札に来てしまったら
そこでジ・エンドです。
奥の手を撃てなくなります。
しかし、さらに引いたハンドでもアオギリは絶望的。
そしてついに、グラードンの猛攻が始まってしまう。
200超のダメージを受けてキュレムが吹き飛ぶ。
こちらに攻撃できるポケモンは育っていない。
もはやこれまで…
あ、そういえば。
ジラーチ、入れてたんだった。
厳しいスケジュールの中、友人が調達してくれた、プロモのジラーチ。
無色1エネで相手の特殊エネルギーを破壊し、ダメージ&効果を無効化できる。
幸い、相手のゲンシグラードンにはストロングエネルギーがしこたまついている。
やるしかあるまい!
怒涛のスターダストラッシュ。
何事かと思うくらい特殊エネを破壊し尽しました。
ストロングエネも全て消し飛ばし、何故か貼られたニコタマまで割ってしまう始末。
たぶん、本来はドンファン用なんでしょう。
血も涙もあったもんじゃねぇ。
このあたりで段々と冷静な思考が戻ってきます。
普通に考えれば、グラードンを後ろに下げれば良いだけのこと。
しかし相手デッキは、準備が完了するまではグラードンを後ろにずーっと控えさせておいて、
最後にどーん!して勝つタイプのデッキ。
1度前に出したグラードンを後ろに下げるというのは、そもそも想定されていないのでしょう。
結果、「ポケモン入れ替え」が少なく、バトル場で立ち往生し、特殊エネを割られ放題に。
逃げエネも重たいため、迂闊に下げられない。
なんだ、落ち着いて考えれば、まだまだ時間はあるじゃないか。
簡単な思考なのに、ハンドの酷さで曇ってしまい、気付けていなかっただけ。
ニューフェイスのおかげで稼げた、貴重な時間。
ドロー枚数を微妙に少なくしたりして、何とか無事にアオギリ成功。
さらにそこから奥の手にも成功。
サイド枚数残り6-3と大きく離されてしまうも、希望の光がしっかりと見えるまでに前進。
が、ここで相手が「ポケモン入れ替え」に到達します。
バトル場には代わってソーナンスが。こちらの爆流が、再度封じられます。
ジラーチを倒されては困るので、こちらはエネ無しキュレムに交代。
これは困った。相手にフラダリを引かれたら、いつでも攻撃できるように…
できるように…
ならない。
どうやら、相手の軽石が尽きた様子。
ソーナンスを逃がせないらしい。
既に、ソーナンスが倒れるまでにフラダリ握るか、みたいな動きになっている。
ほう、そうかそうか。
キュレムというのは素晴らしいアタッカーでして。
3エネ120点という右ストレートの他に、
フロストスピアという、トリックパンチもあってですね。
実にこう、痒い所に手が届くんですね。
相手が動けないのをいいことに、フロストスピアの連打連打連打。
ゲンシグラードンをブスリ♂すること3回。
硬い♂お守りが付いていたので、ダメカンを3個乗せることに成功。
残りHPは210。
その間に、相手はダイゴを使ってフラダリを持ってくる。
が、それは許さない。
サーチャーからNで再びハンドをリフレッシュ。
またもやダイゴ。ダメ。もう一度N。
そんな事をしている内に、フロストスピアでソーナンスがダウン。
残りサイドを5-3とし、相手がグラードンを前に出します。
その間に、ベンチのケルディオに溜めたエネが4枚。
グラードンを一撃で倒すのに、あと5枚。
でも大丈夫。手札にはスーエネ回収がある。
さぁ、キュレムを倒せ。
落ちたエネルギーを回収して焼け野原にしてくれる。
次の瞬間、相手が大きくガッツポーズをしました。
トップドローしたカードをそのまま場に。
「フラダリ」
4エネをつけたケルディオが場に引きずり出されます。
さらに、手札からファイティングスタジアムが。
ガイアボルケーノでケルディオが倒されます。
残りサイドは5-1。
場に残ったアタッカーは、2エネが残ったキュレム。
あとは、軽石が付いただけのケルディオExのみ。
既に基本エネルギーが4枚付いているため、ジラーチも意味がない。
明らかに興奮した様子でターンエンドを宣言する相手。
もはや、勝利を確信しているのでしょう。
今更騒いだ所で何も変わりません。
相手のトップドローが強かった。それだけのこと。
こちらもデッキを1枚ドロー。
引いたカードは…
「…まだ、勝負は終わっていませんよ」
えっ、という感じでこちらを見る相手の方。
手にしたカードを、そのまま場へ。
引いたカードは2枚目のスーパーエネルギー回収。
手札は7枚。いける。
1枚目のスーパーエネルギー回収。エネルギーは全てケルディオに。1、2、3、4。
2枚目のスーパーエネルギー回収。これもケルディオに。5、6、7、8。
トラッシュのエネは覚えている。これで全部キッチリ回収。
ここで初めて、相手が状況を理解したようでした。
慌てて指を折り、計算を始め、しかし、まだ1枚足りない事に気付く。
8枚では、210点。しかし、硬いお守りがあるから、もう1枚足りない。
デッキの水エネルギーは、全部で12枚。
内、8枚がケルディオに。2枚がキュレムに。残りは2枚。
しかし、1枚はサイドに落ちていました。
デッキの残り枚数は、途中で奥の手を使ったこともあり、およそ20枚程。
欲しいカードはたった1枚。
最後の手札はバトルサーチャー。
普通であれば、アララギ博士を選ぶべきだったでしょう。
しかし、ノータイムでNを選びました。
強運でありたいと思うのであれば。
己が強運を疑うな。
たかが1枚、引けばいいだけのこと。
もっと欲張れ。ついでに相手の手札も縛ってやれ。
リフレッシュして、5枚のハンド。
めくった瞬間にきらりと光を反射したのが見える。
水エネルギー。
9エネ230点の神秘の剣でゲンシグラードンを落とす。
焼け野原を前に、呆然とする相手がぽつり。
「何これ…」
ぐっと拳に力を込める。
脳筋の勝負、決着。
【カメケルラボ ○ 4-5 ×(投了) ソーナンスグラードン&ドンファンレジロック】
首に1勝札を下げて、意気揚々と待機列へ足を運ぶ。
嬉しくないわけがない。こんな勝ち方。逆転劇。
ふわふわしてたら、間違えて0勝列に並んでました。
あれ、ここじゃない?サーセン。
次の相手は、てぃあさんという方でした。
自分もお気に入りで以前に使っていた、東北スリーブをさくさくとシャッフルしていく。
聞けば、東北からの遠征だとのこと。
すごく丁寧な印象の方。楽しめそう。
えーと、先に謝っておきます。
有名な方だって、全く存じ上げていませんでした。
ゴメンナサイ。
【2戦目:VSアギロットシェイミ】
マリガン。水エネルギーが見えた。
マリガン。アオギリが見えた。
マリガン。改造ハンマーも見えた。
マリガン。見られてないカードあったっけ。
後攻。相手の場にボクレー。
ふぅ、と息を吐いて手札をテーブルに置きました。
悔しさはありませんでした。ここまで来れただけでも出来すぎなくらい。
デッキは十分がんばってくれた。
「もう疲れたよ」って事でしょ。
それくらい分かるよ。お疲れ様。
それでも、敬意をもって相手に当たりたかったので。
終始、笑顔を意識しました。
今思っても不思議なのですが。
あんなに蛙とかゴチルゼルとかのロックが嫌いだった自分が。
心の底から、自然な笑顔でプレイできていたように思います。
本当に、後悔なんてなかった。
相手は当然のように回ってミツル使用。オーロットでグッズロック。
ターンを渡される。サポは無い。エネを張ってエンド。
次の相手のターン、Nを使われる。
ポケモン引けるかな。
せめて、1秒でも長くこの雰囲気を楽しみたいから。
ケルディオに手張りしたら、何かの拍子にロックが外れないかな。
あの時の手札は、今でも鮮明に覚えています。
フラダリの奥の手
博士の手紙
ハイパーボール
スーパーエネルギー回収
サイレントラボ
ジラーチEx
いつもの手札。
博士の手紙で水エネを持ってきて、ハイパーボールでトラッシュ。
カメックスを持ってきて、それをスーパーエネルギー回収でトラッシュ。
ジラーチで、アオギリの切り札。カメックスが立つ。
何十回と、練習した手札。
でも、今はグッズを使えない。
不思議な感覚。
何だろう、「違うよ」って言われてるような。
ターンを渡される。
引いたカードは「アオギリの切り札」。
サポートが1枚多くなった。
たくさんあっても仕方がないから、捨てちゃおうか。
違う、そうじゃない。
このデッキには、1つだけ、先1オーロットを掻い潜る方法がある。
そんなの考えたこともなかった。
でも、デッキが勝手に答えを持ってきた。
これを使え、と。
ジラーチで「フラダリ」を持ってくる。
フラダリで相手のシェイミを前に。
グッズロックが解除された。
手紙を使って、ハイパーボールを使って、スーパーエネルギー回収。
手札は1枚。アオギリの切り札のみ。
自分が緊張しているのが分かる。
本当に、出来てしまうのだろうか。
相手が、まさか っていう顔でこっちを見てる。
自分も、同じ。
いや、でも、相手にNを使われたらどうしようもない。
と思っていたら、アクロマを使われた。
トラッシュにはNがあったから、サーチャーが無かったらしい。
再び、ターンを渡される。
引いたカードは… 水エネルギー。
相手が「ええっ!?」と驚く。
自分も驚く。
正直、どうしていいか分からなかった。
あぁ、違うってそういうことか。
「お疲れ様」じゃなくて。
「まだまだ戦りたい」って。
仰せとあらば。
もう一度背筋を伸ばして、相手に向き直って。
「改めて、よろしくお願いします」
ちょっと鼻声になってたけど。
勝負は、どちらに転ぶか分からない接線。
でも、完敗でした。詰められ方が半端なかった。
強かった。
ドロンでケルディオが2回倒されて。
でも、最後まで全力で食らい付いてやりました。
「理想の展開をしたたのに、負けが頭をよぎった」って言ってくれて。
今思い出しても、最高の勝負でした。
【カメケルラボ × 5-6 ○ アギロットシェイミ】
今までは雲の上だった、クライマックスステージ。
そこにもう少しで手が届くかな、なんて所まで到達して。
あぁ、なんだ。なんていうか、みんな人間なんだな、なんて。
そんな謙遜することもなかったんだな、なんて、思ったりしました。
そういえば。
最後に対戦した方、千葉2日目3位の方でした。
そんな方と対戦できたとは。いやはや。
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